1918-20 年(大正 7‐9 年)、この国でも「スペイン風邪」が流行しました。世界中で 4 千万人が死亡したとさ れるパンデミックでした。日本だけでも、当時の内務省の調査で 38 万 5 千人が亡くなったとなされています。歴史人 口学者・速見融氏の推計では、内地だけで 45・3 万人、当時日本の植民地とされていた台湾・朝鮮・樺太などで 約 28・7 万人、合計 74 万人が命を失ったと見られています。これほどの犠牲 者が出たにもかかわらず、その後の教会の記録などには、その影響や痕跡を見 出すことがほとんどできません。それは何故なのか、その時キリスト教会はどう対 応したのかについて、当時の第一次資料から読み解いてみましょう。2017-19 年に行なわれた連続講座「日本キリスト教史を読む」の番外編として、 COVID-19 の感染が拡大している現在と共通する課題を共に考えるために、 この講座は企画されました。