戦後を問う動きが激しくなっています。「古典で読む20世紀」はこれまで欧米の思想家中心でしたが、今年度は日本の戦後に焦点をあて、丸山真男をじっくり取り上げたいと思います。「6・15の現実より8・15の虚妄にかける」という言葉は、もはや過去のものでしかないのでしょうか。いまさら丸山なんてという声と、一方では丸山の未発表の文章が読 まれ、「丸山真男論」が、つぎからからつぎへと途絶えないのは、丸山真男の提起した諸問題が、いま、新たなリアリティをもって甦ってきているからだともいえるでしょう。戦争直後の時点で、丸山が何を問おうとしたのか、その後の思考過程の中で、なぜ「日本人の歴史意識」を問題としたのかを問いながら、現在の日本を考えていきたいと思います。
第二回 丸山真男、「日本の思想」、『丸山真男セレクション』平凡社ライブラリーまたは岩波新書
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丸山真男、「日本の思想」、『丸山真男セレクション』平凡社ライブラリーまたは岩波新書
日本クリスチャン・アカデミー関東活動センター運営委員、農村伝道神学校講師
長年、公立高校教員として、高校生に「よくわかるマルクスや、キルケゴール」を語ってきた実績あり。